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サッカーの原理原則に基づき、世の中に感動を創造し続ける存在でありたい。

Criacao Leaders’ College 関東vol.2を開催しました!

9月15日にスマイルフットサルと㈱Criacaoの恊働事業、Criacao Leaders’ College 関東vol.2を開催しました!

 

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Criacao Leaders’ College(クリアソン・リーダーズ・カレッジ)とは、㈱Criacaoが主催する体育会系部活・サークルに属する幹部メンバーを対象としたセミナーです。一流のアスリートやビジネスマン・他団体の学生との交流を通じ、チーム運営やキャリア意識についての考えを深めていくことを目的とし、ここから日本を引っ張り、世界に羽ばたくリーダーを輩出していきたいと考えています。

二回目の今回は、東京大学一橋大学早稲田大学慶應義塾大学東京学芸大学千葉大学青山学院大学のサッカー部・フットサル部・ラクロス部の幹部メンバー達が集いました。

それぞれのチーム状況、悩みや課題について話し合うとともに、アスリートとして、チームを率いる存在として、また社会に出て活躍する人材としての在りたい姿について一緒に考えていきました。

前回から引き続き参加してくれたメンバーに加え、今回から参加してくれたメンバーも交えて、新たな繋がり・関係性も生まれました。この横のつながりをどんどんと広めていってほしいと思います。

プロサッカー選手志望のメンバーも参加し、それぞれの立場から考える話を聞く経験はメンバーにとって大いに刺激になったことだと思います。

 

 

第一部のゲストスピーカーに元サッカー日本代表、2002年日韓W杯時には日本代表キャプテンを務め、現在、佐川印刷京都SCのヘッドコーチとしてご活躍されている森岡隆三さんをお招きしました。

森岡さんにはCriacao Leaders’ College 関西vol.1で登壇いただき、そのお話を是非関東の学生にも聞いてほしいとの思いから、今回関東でも講演していただくことが実現しました。

 

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森岡さんの経歴は以下の通りです。
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森岡隆三(モリオカリュウゾウ)氏
佐川印刷京都SCヘッドコーチ 元サッカー日本代表選手。桐蔭学園高校出身。
1994年鹿島アントラーズ加入。1995年に清水エスパルスに移籍し、1999年には日本代表に選出。2000年シドニーオリンピック出場。2002年日韓W杯では日本代表キャプテンとして出場。チームの柱として日本初のグループリーグ突破に大きく貢献した。
2007年には京都サンガFCに移籍。キャプテンとして当時J2だったチームをJ1昇格へと牽引。2008年に京都サンガFCで現役引退。以降コーチとして活躍している。日本代表、清水エスパルス京都サンガFC、3つのチームでキャプテンを務めた日本サッカーを代表するリーダー。
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今回、森岡さんから「サッカーマインド~サッカーを通して世界を見る~」というテーマでお話頂きました。
高校サッカー、Jリーグ、日本代表でプレーし、様々な選手や監督とプレーをしてきた森岡さん。森岡さんのサッカー人生に影響を与えた人の言葉や姿勢と共に、大切にしたい考え方についてお話いただきました。

 

転機となった高校時代

地区大会も勝ち上がれないチームに所属していた中学時代は、「挫折感満載の日々だった。」

そんな森岡さんにとっての転機は、桐蔭学園高校サッカー部への入部だったそうです。系列の中学校に通っていた森岡さんですが、高校からは全国からスポーツ推薦により優秀な選手を獲得するため、容易には入部を認めてくれませんでした。しかしチームに練習参加を続ける中で、なんとか入部にこぎつけます。

その時監督をしていたのがのちにヴェルディ川崎の総監督を務めることになる李国秀監督。サッカーだけでなく、挨拶の仕方や身なりといった人間教育にも厳しく指導し、それが今の森岡さんの価値観にもつながっているとのことでした。

李国秀監督の指導を象徴するキーワードが「100%」という言葉。

「100%」

高校1年生の時、当時レギュラーに抜擢された森岡さんでしたが、ミスを恐れて消極的なプレーをしていたときに監督からこう言われました。

「お前は100%やっているつもりかもしれない。でも俺が求めている100%はもっと上。この差をどう埋める?」

この言葉を聞いて、もっと自分ができることは沢山ある、下手でもいいから格好つけないで一生懸命取り組もう、そう思えて楽になったということです。

本当に多くの事を李監督から学んだという高校3年間の中でも一番響いたというこの言葉。今でも自分に言い聞かせている言葉であり、その後のサッカー人生の支えであったということです。

 

高校卒業後、森岡さんはJリーグの道へと進みます。

その中で印象的に残っている監督として清水エスパルスアルディレス監督、日本代表のトルシエ監督の名前を挙げてお話しいただきました。

 

‘Don’t Panic!’  ‘Good Reaction!’ ‘That’s It!’

清水エスパルス時代、森岡さんは中々試合に出られない時期が続いても、練習に行くことが楽しみで仕方なかったそうです。

それはアルディレス監督が選手のセンスを刺激するのがとても上手い指導者だったから。この3つの言葉からその指導の特徴の一端が垣間見えます。

◯‘Don’t Panic!’

どんな時でも慌てない。普通の指導者で怒る場面でも、慌てないことが大事であると一休さんのように諭してくれた。

◯‘Good Reaction!’

ミスをしても、取り返すアクションをすることをとても褒めてくれた、だからこそチーム全員でミスしても切り替えてプレーを当たり前に出来ていた。

◯‘That’s It!’

さりげないプレーでも「それだ!」といって認めてくれる。良いプレー/悪いプレーの判断を明確に示してくれた。

アルディレス監督の下でプレーすることで、サッカーが上手くなる実感が持てたそうです。それがプレーへの自信につながり、日本代表に選ばれることにつながりました。

 

3つの言葉はとてもシンプルですが、だからこそ森岡さんをはじめとした選手達の心に響いたのではないでしょうか。

 

いい音を鳴らせ!

元日本代表監督のトルシエ監督についてのエピソードも披露頂きました。

「フラット3」「ウェーブ」という有名なフレーズよりも、

「いい音を鳴らせ!」

という言葉が胸に残っているそうです。

ボールをコントロールする時も、キックをする時もいい音を鳴らす、良い感覚でプレーすることを要求してきたそうです。

森岡さんもキックを指導する時は、「体に残る気持ちよさがあるかないかである」ということを意識しているそうです。

 

これはスポーツ中だけでなく、一つひとつの仕草や動作にもつながっていることであり、普段の生活から意識してほしいとおっしゃっていただきました。

 

「瞬間をプレーする!」−日本代表・2002年日韓W杯

2002年のW杯には主将として参加した森岡さん。しかし初戦のベルギー戦の後半、ジャンプから着地した際に足に違和感を覚えます。結局その後自ら担架を呼び、ピッチをあとにしました。この時のことを今でも後悔していると言います。この経験から「選手であれば、戦える限り、可能性がある限り、やりきらなければいけない」と語ってくれました。

その後もチームに帯同していましたが、完治しない足の状態に嫌気が差して、そのままチームから離れようかと思ったほどだそうです。

そんな中、目の当たりにしたのが秋田選手、中山選手、森島選手の献身的な姿。水汲みなどチームのために出来ることを率先して行う姿に、

「自分が出られないとかは関係ない。日本が勝つためにここに来ているのに、俺はなにやってたんだ。」

そう恥ずかしく感じるとともに、そこから切り替えてチームのための行動を積み重ねるように。

今自分に何が出来るか、何をすべきなのか、ということを考えて行動に移すことの大切さに気付いたといいます。

このことから「瞬間をプレーする」という言葉を伝えて頂きました。

サッカーの90分間の中の一瞬一瞬をどれだけ楽しめるか、ボールの一転がりをどれだけ楽しめるか、ということがピッチ上に落ちている喜びを味わいつくすことにつながってくる。だからこそ一瞬一瞬を大切に生きてほしいというメッセージを伝えていただきました。

 

 

岡崎慎司ビンタン島で出会った少年

講演の最後に、森岡さんが尊敬するという二人についてのエピソードを披露して頂きました。

一人目は日本代表でも活躍中の岡崎慎司選手。清水エスパルス入団当初は、当時主将だった森岡さんから見て「なんでプロにいるんだ」と思うだったという岡崎選手。

 

 

徐々にその前向きさで、チームメイトみんなが岡崎選手に手を差し伸べるようになっていったとのこと。何人もの先輩からご飯を同時に誘われるほど好かれていたそうです。

言われたことを出来ない、でも何度でもトライし続ける、諦めずに続けることが周りを惹きつけた岡崎選手の姿勢でした。

入団当初はパッとしないと言われた選手が今では誰もが認める超一流になったその背景には、森岡さんも認めるほどの諦めない姿勢がありました。

 

二人目は家族旅行で行ったビンタン島で出会った少年。

現地で地元の人達や台湾人やドイツ人といった観光客が入り混じってサッカーを楽しんでいたそうです。そこではお互いのプレーを尊重しあう雰囲気がありました。そんな中でも森岡さん息子さんは、下手くそだけど頑張ってボールに食らいついていました。

試合の終了後、そんな息子さんに対して“YOU PLAY GOOD”という言葉をかけて握手を求めてくれた少年がいたそうです。その姿を見てとても感銘を受けた森岡さん。

どんなレベルでも、どんなのスポーツでもお互いを尊重してプレーすることの大切さが胸に染みて分かるエピソードですね。

 

 

森岡さんのお話を聞いて強く印象に残っているのは、一つひとつの言葉に重みがあり、胸に響くということです。学生の目線に立ってわかりやすい言葉遣いや例え話を交えながら話していただきましたが、全てのエピソードについて語る考えや思いの深さに驚くばかりでした。講演のあと、一緒にワークまでやっていただいた際には「伝えようとする姿勢が大事だ」ということをおっしゃっていて、まさにその「伝えようとする姿勢」が印象に残った講演でした。

人前で話す場面では何を言えばいいのかということばかり考えてしまいがちですが、何よりも自分が伝えたいと思うことを相手に伝えようとするその姿勢が大事なのだと改めて気づかせてもらいました。

また、森岡さんが関わってきた監督や先輩・後輩の言葉や姿勢から何かを学び取ろうとする向上心がとても強いことも感じました。日本代表にまで上り詰めながらも謙虚さを忘れず、上を目指し続ける姿勢は、自分も見習いたい、そうありたいと思うものでした。

 

 

第二部のワークでは㈱Criacao代表丸山より、

「森岡さんの話から考えるスポーツとビジネスの本質的共通点について」

というテーマで講演いたしました。

 

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アスリート人材として「何のために今のスポーツをやっているか」ということを理解し言語化する、それを行動につなげていくことが大切です。

部活動を通して学んだことを社会に還元していくためにも考えてもらいたいテーマだとして、グループディスカッションを交えながら考えてもらいました。

 

「なぜあなたは今の部活・サークルで活動をしているか」

「本日の森岡さんの話で一番印象に残ったエピソードは何ですか」

「みんなは部活をしている上で、誰に応援・支援されていますか」

「応援されるチームとは?応援される選手とは?」

こうした質問に対して自分の考えを言葉にする、他の参加者の声を聞く中で、自分達の活動について整理してもらいました。

特に「応援されるチームとは?」という質問の際には、ディズニーランドやスターバックスの例を交えながら、自分の部活に置き換えて考えてもらいました。

部活動も企業と同じように、周りの関係者に応援・支援され、それに対して返していくという発想に対して新鮮に感じるメンバーも多くいました。

 

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今後チーム作りをしていく際に、こうした問いかけを自チームの中でも行ってもらい、チームの土台作りをしていって欲しいと思います。

丸山より、Why・How・Whatの順番から考えるという点も意識することで周りの人を惹きつけるようなチームになっていくという話もありました。是非、Whyから考えることをひとつの習慣にしていって欲しいと思います。

 

 

<参加者インタビュー>

早稲田大学ア式蹴球部・3年 奥山政幸さん

 

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強豪早稲田大学の中心選手として活躍し、大学選抜にも選ばれている奥山さんにCriacao Leaders’ Collegeに参加した感想を聞きました!

 

森岡さんの生のお話を楽しみに

チームとしては後期リーグが開幕して、3位につけています。直近の試合で引き分けてしまいましたが、自分たちのしてきた努力を信じて続けていくことが大事であると考えています。

先日、大学選抜としてU-21日本代表との試合も経験しました。想像以上に自分のプレー通用する部分があり、自信を深めることが出来ました。大学特有の運動量が重視される自分たちの磨いてきたプレーは間違ってないのだと改めて確認できました。

森岡さんという、自分が将来なりたいポジションを経験している方の生のお話を、チームの代表として聞けるという貴重な経験をさせてもらうので、純粋になにか得たいという思いでこの場にきました。

 

一つひとつの言葉の重みを感じた

一つひとつ言葉の選び方・表現の仕方が人間味に溢れていて、自分達にも分かりやすい言葉でしゃべっていただいたと思います。

その中でも印象に残っているのは「校歌」の話です。

(森岡さんの高校時代、サッカー部ではコーチングが通らなかった場合はグラウンドの中で校歌を大声で歌わなければいけない習慣があったそうです。「言ったとしても、真意伝わってなければ言っていないのと一緒」というメッセージが込められたエピソードです。)

自分たちに近い経験をしている方が、わかり易い言葉で話していただいたので、普段本などでは得ることの出来ない感動を得ることが出来ました。

 

チーム全体を見据えて

3年生の後期となり今後のチーム全体の事を見据えると、伝える立場として、なにをどう伝えるのかということをこだわっていくことが大事になります。

自分は喋るのが上手い方ではないと思うが、伝えたいことを自分で持ち、伝えようとする姿勢を持てば、聞いてきくれる人に必ず響いてくれるのだと今回の森岡さんのお話を聞きながら感じました。

 

会の中では現在チームとして大事にしている事と重なる話もあり、改めてそういった部分を意識していくことの大切さを再確認しました。

学生主体のチームとしては、学年関係なく自分の思いを伝え合う、一人ひとりが自立してチームのことを考えようという空気が生まれてきています。

だからこそ、自分の考えを伝える力を一人ひとりが持つことが重要になります。

自分が率先して実践することで、一人でも多くの仲間に自分の言葉響いてくれるようにやっていきたいと思います。

 

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慶應義塾大学フットサル部・3年・主将 平川幸佑さん

慶應義塾大学フットサル部を代表として率いる平川さんにもインタビューしました!

 

学生だけで運営するチームの醍醐味と100%の重要性

僕達のチーム慶應エルレイナは監督がおらず、幹部メンバーが練習メニューや選手選考をします。だからこそ、幹部の意図や求めることを選手に正しく伝えることが重要です。また同じ学生が意思決定するため、方針が合わないからといってその選手を除外することはできません。

選手が腹落ちするような言葉を伝え、様々な想いを持った選手を一つの方向にまとめていくのが醍醐味だと思います。

そのようなチームの中、幹部が常に100%を示すことがチームを作っていく上で最も大事なことだと感じました。トップに立つ選手が100%を決めずに限界を決めずに取り組む姿勢がチームを作るんだと森岡さんのお話を聞いて、より強く感じました。

 

伝えることの難しさ

監督がいない分、幹部メンバーがチームの方針を後輩に押し付けてしまっている時期がありました。

守備に重きを置いているチームということで攻撃が得意な選手がいても、守備的なフットサルを押し付けていました。しかし選手のモチベーションは下がり、チームは勝てなかったんですね。

やはり何故、自分達が守備的なサッカーをしているか、どんな想いでチームを作っているかをしっかりと伝えられていなかったなと気づきました。

森岡さんのお話にもあったように、言ったつもりではだめ。相手の事を本気で考えて、強い想いを持って伝えていくことの重要性を強く感じました。

 

 

森岡さん、参加していただいた学生の皆さん、ありがとうございました!

次回の開催は11月を予定しています!

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Criacao Leaders’ College【関東】vol.1 - Criacao Blog